桐朋学園の教育
自主的、創造的な人間の育成
桐朋学園の前身は、1941年に山下亀三郎氏の寄付金によって創立された、山水中学校、山水高等女学校です。敗戦後私たちの学園は、東京文理科大学・東京高等師範学校の指導と協力を得て、1947年、桐朋学園として第二の出発をしました。
高名な哲学者であり戦後日本の教育改革の担い手であった、東京文理科大学の務台理作学長が、男子・女子両校の校長を兼務して、一人ひとりの人格を尊重し、自主性を養い個性を伸長する、ヒューマニズムに立つ教育の理念を桐朋教育の基本に据えました。
以後、その「人間教育」の理想は、男子部門、女子部門の教育の場で実施され力強く発展し、音楽部門をも含めた桐朋教育の共通の基盤として継承されています。また、桐朋教育の基本には、子どもたちを充実した環境でじっくり育て、人間としての無限の可能性を豊かに開花させようとする一貫教育の発想とシステムがあります。
「桐朋男子」、「桐朋女子」の教育は、健康な心身を育て豊かな感性を養い、十分な基礎学力を育むことを基本としていますが、さらに、一人ひとりが人間性を全面的に発達させ、自分の考えを持ち、社会に有為な人間に成長していくよう、様々な経験の場を系統的に準備しています。そして、多様な個性に輝く友だち、教育愛に満ち高い専門性を持つ先生たち、自由で伸びのびとした校風、自然豊かな環境、そして優れた教育プログラムとの出会いが、生徒たちをダイナミックな自己成長に導きます。人間性豊かで意欲的な、自主的・創造的な人間を、桐朋学園は育てています。
桐朋学園の教育には、もう一つ、専門的な高等教育としての「芸術教育」があります。
桐朋学園芸術短期大学は、音楽、演劇の2専攻から成る、芸術専門の単科大学です。第一線の教授陣により少人数の実践的な教育が行われ、人間同士の緊密な関係の中で、芸術文化創造の担い手が力強く育っています。
桐朋学園大学音楽学部を中心とする音楽部門は、音楽教育60年を越える歴史を重ね、優れた音楽家を多数生み出して「音楽の桐朋」として世界に広く知られています。「子供のための音楽教室」から「高校」「大学」、さらには「大学院」までの一貫した体系を持ち、優秀な教授陣が、高い質の音楽教育を実現しています。